東京大学 大学院医学系研究科 システムズ薬理学教室 主催
─ 子どもの睡眠の実態調査 ─
児童・生徒・学生の睡眠測定に興味のある
<学校・自治体・団体>を募集しています
東京大学よりウェアラブルデバイスをお送りし、
生徒の睡眠覚醒リズムを約1週間計測します
その後、ご相談の上、解析結果をフィードバックします
思春期前後の子どもにとって、睡眠は心身の健康の保持増進に重要な役割を果たします。
現代社会の24時間化に伴い、子どもたちの夜ふかし傾向や睡眠時間の短縮化が進んでいます。
正確な睡眠状態の測定には、
子どもの眠りを1週間以上にわたり客観的に測定し、
実態を把握することが大切です
参加費は無料です
郵送費は東京大学が負担します
STEP1
デバイス・同意書・睡眠日誌の送付
STEP2
デバイスを装着して生活
睡眠日誌への記入
STEP3
デバイス・同意書・睡眠日誌を回収
STEP4
東京大学で解析
STEP5
フィードバック
行動変容のきっかけのお手伝いをいたします
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(デバイス・同意書・睡眠日誌)
の発送
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1週間のデバイス装着/睡眠日誌の記入
生徒
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令和3年度、勤務校において岩国市が受託した、独立行政法人国立青少年教育振興機構「早寝早起き朝ごはん推進校事業」の研究指定を受け、中学生の基本的生活習慣の確立をめざし、「自分で作る朝ごはん」等を通した食育の推進や広島国際大学の田中秀樹教授に「睡眠マネジメント」について継続的にご指導いただき、取組をすすめてまいりました。そのような中、田中教授のご紹介で、どのような日常の行動が体のリズムや体調に関係しているかを明らかにし、「授業中の眠気」「やる気の低下」等を改善する方法について提案するために東京大学の「リストバンド型加速度センサー」による調査を「すいみん健康診断」と名付けて本人、保護者の承諾も得て生徒およそ420名、50名の教職員、地域の方々が参加して実施しました。東京大学からは、丁寧に一人ひとりにデータの分析結果を返していただき、生徒からは「自分の生活を見直したい」「自分の睡眠の質と量を見直すことで何事にも集中したい!」という意見が多くあがりました。私も参加させていただいたのですが、自信満々だった睡眠の量に比して、「覚醒している頻度が高い」というデータ分析をいただき、あらためてまったく気が付かなかった自分の「睡眠の質」と心と体の健康管理について考えさせられました。
この調査は自分の「体」について気づき、生活を整え、「心」「学び」を豊かにするとても良いきっかけになると思います。
岩国市立川下中学校
前校長 岡田淳子先生
「子ども睡眠健診」のすすめ!
私は、2001年より「子どもの早起きをすすめる会(hayaoki.jp)」の活動を通じて、200校以上の小学生対象に睡眠啓発の講演活動を行ってきました。睡眠をとりまく環境は著しく変化しているのに、子ども達は20年前と同じスライドで笑い、静かになります。「子どもは変わらないな~」と実感する瞬間です。もう一点「子どもは本能として眠りは大切」を知っている感じがします。しかし「眠りの優先順位」をどんどん下げてしまう子ども達。睡眠は、子どもの発育、ホルモン、知能、情緒等の脳神経の発達に最も重要であり、「睡眠の重要性を伝える」大人の使命もなんら変わりありません。この「ウエラブルデバイスを使った子ども睡眠健診」は、令和の「眠れない子ども達」にも楽しく「自分の睡眠」を理解でき睡眠の重要性を勉強できるツールだと思います。「子ども睡眠健診」を推薦いたします!
医療法人社団 昌仁醫修会 瀬川記念小児神経学クリニック
理事長 星野恭子先生
本校では、近年、生活習慣の乱れている生徒が増えており、睡眠習慣の乱れなどの睡眠問題が増加しています。そこで、中学1年生を対象に「学力・運動能力を伸ばす睡眠法」をテーマとして健康教育を実施しています。これに加え、今回「睡眠計測計」を付けて自分の睡眠リズムを知り、振り返りシートで改善方法を示すことで、より個々にあった指導ができました。成長期の子どもの「眠り」は未熟な頭と 体を「発達」させるために必要なものなのです。子どもの脳では寝ている間に記憶された情報の整理をするだけでなく、体を育てる「成長ホルモン」も分泌されます。しっかり寝ることはしっかりとした心身を作ります。
計測後の保健だよりでは、睡眠や生活リズムについての正しい知識の定着を目指し、睡眠調査の結果等を示しました。今後も継続して睡眠教育を実施し、子どもの頃から、しっかり眠る習慣を身につけさせたいと思います。
学校法人鶴学園 広島なぎさ中学校・高等学校
養護教諭 瀬戸弘美先生
この取り組みへの参加によって,ご自身や所属する学校・組織の眠りの傾向を知ることは,生活を見なおし,見通しや選択肢を豊かにするきっかけになると考えています。また同時に,日本の生活者の睡眠実態を追究するこの研究が,眠りの重要性や多様性,そして睡眠に困っている人たちの理解につながることを期待しながら協力しています。
福山市立大学教育学部
准教授 平野晋吾先生
生徒たちは、センサーに興味津々で、「この取組で睡眠の質が向上、改善されるとよい。」「自分の生活をコントロールしたい。」「何事にも集中したい!」という意見も聞きました。
岩国市立川下中学校
HPから引用
ウェアラブルデバイス・⼿法 | 研究者 | 特異度※ | 感度 | 精度 |
---|---|---|---|---|
ACCEL | Katori+, 2022 | 82.2% | 97.2% | 93.2% |
Actiwatch-64 | Kosmadopoulos+, 2014 | 26.9% | 97.8% | 88.0% |
Actiwatch-64 | Markwald+, 2016 | 37.0% | 96.7% | 89.3% |
Fitbit | de Zambotti+, 2016 | 42.4% | 95.4% | 90.9% |
Apple Watch | Walch+, 2019 | 54.1% | 93.0% | 86.6% |
Oura Ring | de Zambotti+, 2019 | 48% | 96% | – |
※特異度とは、PSG装置の睡眠と覚醒を真のデータとした際に、ウェラブルデバイスとアルゴリズムが、覚醒を判定できる確率のことです。
東京大学が開発したアルゴリズム(ACCEL;中途覚醒を正確に検出)を本調査に活用します。
約1週間の睡眠覚醒リズムや睡眠時間、中途覚醒等の情報を解析します。
多くの日本人(特に子ども)の睡眠を客観的に測定し、
日本における睡眠の実態把握と今後の指針づくりに活用します。
日本人(特に子ども)の睡眠パターンを分析・分類し、
健康な睡眠の理解や心身の不調の早期発見に資する研究活動へとつなげます。
ERATO上田生体時間プロジェクトでは、「ヒトの理解に資するシステム生物学」を推進しています。本プロジェクトで開発した睡眠判定技術を活かし、一次予防(睡眠健診)としての取り組みとして、現在十分とは言えない子どもの睡眠状況の改善に、少しでも貢献できればと考えています。「子ども睡眠健診プロジェクト」に少しでも興味を持たれた方は、是非一度ご連絡ください。
研究総括:
上田泰己(教授)
ヒト睡眠測定グループ:
南 陽一(特任准教授)、岸 哲史(特任講師)
何でもお気軽にお問い合わせください。